あしば祭のあしばは、
足場を固めるのあしば、らしい。
あと、あしばーの意味もあるらしい。
今日の司会のセリフより。
「おとんは、物心ついたときから、よお働かんで。
うちでごろごろしとった。
今でいったらフリーターだ。
なんで、おかんは、こんなおとんと結婚したのか。
と、子どもの頃よく思った。」
と、そんな泣かせる話まで披露してまう祭り。
祭りはいいね。
そんなこんなで、今年も売る気ゼロのうちのおとんは
お店のブースの後ろのシートで酒に酔って寝ていた。
子どもに起こされて、キャッチボール。
そんなうちのおとんとは、出会ってかれこれ10年になる。
☆☆☆
「なーんでこの人とけっこんしたんですかー。」
若いおねえさんに聞かれて、ふと、振り返る。
確かに、なんでだろう、って籍もいれてなければ、
式もあげてませんけれどねえ。
なんざんしょ。
・・・・・・・・・
アンデパンダン展なんていうものがあって、
そこに絵を持ち込み、
どうした流れか、今はなき高円寺の「ラスタ庵」
というところに遊びにいった。
そしたら、今のおとんが、いた。
じじむさく、薄汚く、ずいぶんじいさんがいるものだと、
視力の弱い私は思いました。
早口で何をいっているかよくわからんし、
「長崎かあ、金たらいみたいなどんぶりでちゃんぽん食ってるんだろ。」
長崎生まれの私にいった一言。
それは、なぜか、覚えている。
☆☆☆
そうして、数える程しかあっていないのですが、
私は、住む家もなく、お友達のうちに居候させてもらいテンテンとしており、
おとんの家もその1つだった。
家がやたら、きたない、オラウータンがあばれた後だろう、というぐらいだらしない生活ぶりで、なんでか、掃除にいった。
「うちじゃー捨て猫は飼えないの。」
私は、おとんに捨て猫扱いされつつ、にゃーとまたいってみる。
うろうろ外を歩く。お金もないので
ひたすら散歩。
金子光晴の小説に出てくるあたりをうろうろうろうろ。
同じところをうろうろううろ、ひたすら歩く。
夏は、アパート内がやたら暑いので、近所の大学構内で水遊び。(二人ともそこの学生じゃないけれど)
☆☆☆
夏がすぎたあたり、
おとんの友達が住んでいたアパートが一室あくというので、
そこに引っ越す。
風呂なし、共同トイレ。
6畳とキッチン広めの6畳、
その二つの部屋、2階建ての木造アパート
木枠の窓が風情があってお気に入りでした。
お風呂は近所の銭湯へ。
夏は、暑い。
冬は隙間風で、なんでか外より寒い。
雨が降れば、ごたぶんにもれず、雨漏り。
そして、
いろいろいろいろいろいろいろいろあって。
子どもが生まれてからも、3年間は住んでいて、
子は、保育園の友達に、以前、雨漏りの話をしたらしく
「外に住んでいるの?」
と、いわれたらしい。
うーん。確かに、天井の裏も見えていたなあ。
今は、雨漏りがしない。狭いながらも風呂がある。
☆☆☆
儲かるぐらいに商売がうまくいったという試しはないけれど、
食えているんだなあ、子も元気に育っているのに驚きだ。
うちの親も、おとんのおかんもおとんも何もいわない。
ときどき遊びにいくと、子どもはかわいがってくれて
野菜や米を送ってきてくれたりする。
☆☆☆
ときどき、どちらかが
急に入院したときにどうするか?
という問題があるのですが、
籍を入れていないと、手術の内容とか、
受諾書にサインできないとかね。
で、トンチも大事ですが知る力も大事でね、
緑風出版から出ているプロブレムQ&A
『パートナーシップ・生活と制度』
を読んで解決。
緊急時連絡先カードというものを持っているといいそうだ。
がってん!
☆☆☆
そんなこんなで、のらりくらりとやってきて、
この先どうなるのやらわかりませんが、
「オレが幸せならいいんだ!」
と、おとんがいうのですから、きっとこんな感じでいいんだな、
とつづく。
☆☆☆
これを書きながら、貧乏自慢のzineを作ろうかなあとふと、思ったのです。
貧乏子育て人の横のつながりができると楽しいんじゃないかと・・・。
今日の祭りでも、かなりおもしろかったし。
ふふふー。どうなることやら、先が決まっていたら
おもしろくはない。